Rulebook

薬事ルールBook

化粧品・医薬部外品の効能効果の範囲

化粧品の効能効果の範囲

頭皮・髪

  • 1. 頭皮、毛髪を清浄にする
  • 2. 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える
  • 3. 頭皮、毛髪をすこやかに保つ
  • 4. 毛髪にはり、こしを与える
  • 5. 頭皮、毛髪にうるおいを与える
  • 6. 頭皮、毛髪のうるおいを保つ
  • 7. 毛髪をしなやかにする
  • 8. クシどおりをよくする
  • 9. 毛髪のつやを保つ
  • 10. 毛髪につやを与える
  • 11. フケ、カユミがとれる
  • 12. フケ、カユミを抑える
  • 13. 毛髪の水分、油分を補い保つ
  • 14. 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ
  • 15. 髪型を整え、保持する
  • 16. 毛髪の帯電を防止する

  • 17. (汚れを落とすことにより)皮膚を清浄にする
  • 18. (洗浄により)にきび、あせもを防ぐ(洗顔料)
  • 19. 肌を整える
  • 20. 肌のキメを整える 
  • 21. 皮膚をすこやかに保つ
  • 22. 肌荒れを防ぐ
  • 23. 肌をひきしめる
  • 24. 皮膚にうるおいを与える
  • 25. 皮膚の水分、油分を補い保つ
  • 26. 皮膚の柔軟性を保つ
  • 27. 皮膚を保護する
  • 28. 皮膚の乾燥を防ぐ
  • 29. 肌を柔らげる
  • 30. 肌にはりを与える
  • 31. 肌にツヤを与える
  • 32. 肌を滑らかにする
  • 33. ひげを剃りやすくする
  • 34. ひげ剃り後の肌を整える
  • 35. あせもを防ぐ(打粉)
  • 36. 日やけを防ぐ(注4)
  • 37. 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ(注4)

香水

  • 38. 芳香を与える

  • 39. 爪を保護する
  • 40. 爪をすこやかに保つ
  • 41. 爪にうるおいを与える

  • 42. 口唇の荒れを防ぐ
  • 43. 口唇のキメを整える
  • 44. 口唇にうるおいを与える
  • 45. 口唇をすこやかにする
  • 46. 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ
  • 47. 口唇の乾燥によるカサツキを防する
  • 48. 口唇を滑らかにする

口腔内

  • 49. ムシ歯を防ぐ
      (使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
  • 50. 歯を白くする
      (使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
  • 51. 歯垢を除去する
      (使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
  • 52. 口中を浄化する(歯みがき類)
  • 53. 口臭を防ぐ(歯みがき類)
  • 54. 歯のやにを取る
      (使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
  • 55. 歯石の沈着を防ぐ
      (使用時にブラッシングを行う歯みがき類)

  • 56. 乾燥による小ジワを目立たなくする(注5)

注1:例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2:「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3:( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。
注4:UVカット効果のある商品に限る。
注5:日本香粧品学会の「化粧品機能評価ガイドライン」に基づく試験等を行い、その効果を確認した場合に限る。


医薬部外品の効能効果の範囲

医薬部外品の種類 使用目的の範囲と原則的な剤型 効能効果の範囲
使用目的 主な剤型 効能効果
1.口中清涼剤 吐き気その他の不快感の防止を目的とする内用剤である。 丸剤。板状の剤型、トローチ剤、液剤。 口臭、気分不快。
2.腋臭防止剤 体臭の防止を目的とする外用剤である。 液剤、軟膏剤、エアゾール剤、散剤、チック様のもの。 わきが(腋臭)、皮膚汗臭、制汗。
3.てんか粉類 あせも、ただれ等の防止を目的とする外用剤である。 外用散布剤。 あせも、おしめ(おむつ)かぶれ、ただれ、股ずれ、かみそりまけ。
4.育毛剤(養毛剤) 脱毛の防止及び育毛を目的とする外用剤である。 液剤、エアゾール剤。 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛。
5.除毛剤 除毛を目的とする外用剤である。 軟膏剤、エアゾール剤。 除毛。
6.染毛剤
(脱色剤、脱染剤)
毛髪の染色、脱色又は脱染を目的とする外用剤である。毛髪を単に物理的に染毛するものは医薬部外品には該当しない。 粉末状、打型状、エアゾール、液状又はクリーム状等。 染毛、脱色、脱染。
7.パーマネント・ウェーブ用剤 毛髪のウェーブ等を目的とする外用剤である。 液状、ねり状、クリーム状、エアゾール、粉末状、打型状の剤型。 毛髪にウェーブをもたせ、保つ。くせ毛、ちぢれ毛又はウェーブ毛髪をのばし、保つ。
8.衛生綿類 衛生上の用に供されることが目的とされている綿類(紙綿類を含む)である。 綿類、ガーゼ。 生理処理用品については生理処理用、清浄用綿類については乳児の皮膚・口腔の清浄・清拭又は授乳時の乳首・乳房の清浄・清拭、目、局部、肛門の清浄・清拭。
9.浴用剤 原則としてその使用法が浴槽中に投入して用いられる外用剤である。(浴用石鹸は浴用剤には該当しない。) 散剤、顆粒剤、錠剤、軟カプセル剤、液剤。粉末状、粒状、打型状、カプセル、液状等。 あせも、荒れ性、打ち身(うちみ)、くじき、肩の凝り(肩のこり)、神経痛、湿しん(しっしん)、しもやけ、痔、冷え性、腰痛、リウマチ、疲労回復、ひび、あかぎれ、産前産後の冷え性、にきび。
10.薬用化粧品(薬用石けんを含む) 化粧品としての使用目的を併せて有する化粧品類似の剤型の外用剤である。 液状、クリーム状、ゼリー状の剤型、固型、エアゾール剤。 別掲(次表参照)
11.薬用歯みがき類 化粧品としての使用目的を有する通常の歯みがきと類似の剤型の外用剤である。 ペースト状、液状、液体、粉末状、固形、潤製。 歯を白くする、口中を浄化する、口中を爽快にする、歯周炎(歯槽膿漏)の予防、歯肉炎の予防。歯石の沈着を防ぐ。むし歯を防ぐ。むし歯の発生及び進行の予防、口臭の防止、タバコのやに除去、歯がしみるのを防ぐ。
12.忌避剤 はえ、蚊、のみ等の忌避を目的とする外用剤である。 液状、チック様、クリーム状の剤型。エアゾール剤。 蚊成虫、ブユ(ブヨ)、サシバエ、ノミ、イエダニ、トコジラミ(ナンキンムシ)等の忌避。
13.殺虫剤 はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止の目的を有するものである。 マット、線香、粉剤、液剤、エアゾール剤、ペースト状の剤型。 殺虫。はえ、蚊、のみ等の衛生害虫の駆除又は防止。
14.殺そ剤 ねずみの駆除又は防止の目的を有するものである。   殺そ。ねずみの駆除、殺滅又は防止。

薬用化粧品の効能効果の範囲

種類 効能効果
1.シャンプー ふけ、かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。(二者択一)
毛髪・頭皮を清浄にする。(二者択一)
毛髪・頭皮をすこやかに保つ。 毛髪をしなやかにする。
2.リンス ふけ、かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。(二者択一)
毛髪の水分・脂肪を補い保つ。(二者択一)
裂毛・切毛・枝毛を防ぐ。
毛髪・頭皮をすこやかに保つ。
毛髪をしなやかにする。
3.化粧水 肌あれ。あれ性。
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
油性肌。
かみそりまけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。
4.クリーム、乳液、
ハンドクリーム、化粧用油
肌あれ。あれ性。
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
油性肌。
かみそりまけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ。
5.ひげそり用剤 かみそりまけを防ぐ。
皮膚を保護し、ひげをそりやすくする。
6.日やけ止め剤 日やけ・雪やけによる肌あれを防ぐ。
日やけ・雪やけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)
皮膚を保護する。
7.パック 肌あれ。あれ性。
にきびを防ぐ。
油性肌。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。(注1)
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
肌をなめらかにする。皮膚を清浄にする。
8.薬用石けん
(洗顔料を含む)
<殺菌剤主剤>
(消炎剤主剤をあわせて配合するものを含む)
皮膚の清浄・殺菌・消毒。体臭・汗臭及びにきびを防ぐ。
<消炎剤主剤のもの>
皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。

(注1)作用機序によっては、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」も認められる。
(注2)上記にかかわらず、化粧品の効能の範囲のみを標ぼうするものは、医薬部外品としては認められない。

「薬用化粧品」及び「薬用歯みがき」での化粧品の効能効果の表現について

化粧品的医薬部外品(いわゆる薬用化粧品)及び薬用歯みがきは、化粧品の効能効果の内、 類別に準じた表現を使用することができる。(殺菌剤配合のシャンプー又は薬用石けんなどは除く)

※ただし医薬部外品本来の目的について医薬部外品本来の目的が隠ぺいされて化粧品であるかのような誤解を与えないこと。
また、当該効能効果が医薬部外品の効能効果として承認を受けたものであるかのような誤認を与えないこと。


化粧品・医薬部外品の広告表現についての主な注意点

1.最大級表現の使用の禁止について

「製造方法」「効能効果」「安全性」について、最大級表現や、最大級に類する表現を使用することはできない。

例)「最高の技術」「最先端の製造方法」
  「近代科学の枠を集めた製造方法」
  「理想的な製造方法」
  「家伝の秘法により作られた・・・」
  「究極の効果」「比類なき安全性」「絶対安全」
  「潤いの救世主」「奇跡の美容液」

2.効能効果、安全性の表現について

  1. 認められた効能効果の範囲を超えた標ぼうをすることはできない。
  2. 二次的、三次的効果を標ぼうすることも不可となる。
    例)肌にハリを与えることで、たるみも気にならなくなります
  3. 効能効果に一定の条件、いわゆるしばりの表現が付されている場合は、省略することなく記載する。
    例)日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ(下線部がしばり表現)
  4. 複数の商品を単一の広告で紹介する場合
     ・複数の化粧品や医薬部外品にかかるコピーを使用する場合は、そのすべての商品で標榜できる表現にする
     ・化粧品や医薬部外品が混在する場合、医薬部外品には「医薬部外品」と記載する
     ・複数の商品の使用により、相互に相乗効果を得るような誤解を招く広告はできない
  5. 個々の成分の効能効果等について
     数種の成分からなる化粧品や医薬部外品について、その個々の成分についての効能効果の説明を行う場合及び医薬部外品の有効成分について作用機序を説明することは、医学、 薬学上認められており、かつ、その承認されている効能効果の範囲をこえない場合に限り差し支えない。
    ※医薬部外品の有効成分以外の成分や化粧品の成分については、作用機序を述べることはできない。
  6. 複数の効能効果を有する化粧品や医薬部外品の広告について
    複数の効能効果を有する化粧品や医薬部外品を広告する場合、そのうちから、特定の一つの効能効果等を広告することは差し支えない。
  7. 「○○剤」という表現について
    「○○剤」という表現は、「解熱鎮痛消炎剤」のように薬効分類とし て認められており、しかも分類が適当である場合は認められる。従って、 例えば「食欲増進剤」のような表現は認められない。
    なお、その表現が効能効果、作用等から十分に実証できる場合は、具体的事例ごとに検討する。
  8. 「専門」「専用」の表現について
     「専門」については、医薬品等適正広告基準第4の3(4)「用法用量についての表現の範囲」に抵触するおそれがあり、かつ、医薬品等の広告の表現としては好ましくないため、承認を受けた名称である場合以外は認められないとされている。
     「専用」については、上記を基に化粧品等の適正広告ガイドラインにおいて、「敏感肌専用」等の用法用量についての表現は、特定の肌向けであることを強調することによる、効能効果又は安全性など事実に反する認識を得させるおそれがある表現となるため、次の場合を除き、原則として行わないことされている。
     ・化粧品の種類又は使用目的により配合の制限がある場合など明らかに特定部位にしか使用しない場合(例)爪専用(ネイル、ネイルリムーバー等)
     ・安全性観点から、化粧品基準における配合制限を根拠に「洗い流し専用」の標ぼうを行う場合

3.配合成分に関する表現について

  1. 医薬品等の成分及びその分量又は本質等並びに医療機器の原材料、形状、構造及び原理について、承認書等への記載の有無にかかわらず、虚偽の表現、不正確な表現等を用い効能効果等又は安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある広告をしてはならない。
    例)単味であるものを総合、複合等とする「高貴薬配合」「デラックス処方」
  2. 特定成分の未配合表現について
    特定の成分を配合していない旨の広告は、事実である限り差支えない。
    ただし、他社誹謗又は安全性の強調とならないよう注意が必要。
    例)肌に刺激となる成分パラベン無添加(他社誹謗となるためNG)
     「100%無添加」、「100%ピュア」(強調表示のためNG)
  3. 「各種・・・」、「数種・・・」等の表現について
     配合成分の表現の仕方で「各種ビタミンを配合した・・・」、「数種のアミノ酸配合・・・」のように「各種・・・」、「数種・・・」という表現は不正確で、かつ誤認させ易いので、配合されている成分名は具体的に全部が列挙する必要がある。
  4. 配合成分数の表現について
    配合成分の表現の仕方で「10種のビタミンを配合・・・」、「15種類の生薬を配合・・・」のように配合成分数をあげることは事実である限りは差し支えないが、強調表現とならないように注意が必要。
  5. 成分の特記表示について
    化粧品の配合成分や、医薬部外品の有効成分以外の成分を特記する場合は、化粧品の効能効果もしくは製剤技術の範囲で配合目的を記載する。
    例)ヒアルロン酸配合(保湿成分)

4.効能効果・安全性を保証する表現の禁止

  1. 効能効果が確実であること又は安全であることを保証するような表現は認められない。
    なお、効能効果等又は安全性を保証する表現については、明示的、暗示的を問わず認められない。
  2. 臨床データ等の例示について
    一般向けの広告にあっては、臨床データや実験例等を例示することは消費者に対して説明不足となり、かえって効能効果等又は安全性について誤解を与えるおそれがあるため原則として行わないこと。
  3. 図面、写真等について
    使用前、後に関わらず図面、写真等による表現については、次のようなものは認められない。
    ・効能効果の範囲を逸脱した表現
    ・効果発現までの時間の保証となるもの
    ・効果持続時間の保証となるもの
    ・安全性の保証表現となるもの
  4. 使用体験談等について
    愛用者の感謝状、感謝の言葉等の例示及び「私も使っています。」等使用経験又は体験談的広告は、以下の場合を除き行ってはならない。
    ・化粧品、医薬部外品の広告で使用感を説明する場合
    ※ただし、使用感のみを特に強調する広告は、消費者に当該製品の使用目的を誤らせるおそれがあるため行わないこと。
    例)目薬なのに「ひんやりした使い心地で目が覚める」といった表現を想定
    ・タレントが単に製品の説明や呈示を行う場合

5.他社製品の誹謗となる表現の禁止

医薬品等の品質、効能効果、安全性その他について、他社の製品を誹謗するような広告を行ってはならない。

  1. 誹謗広告とは
    ・他社の製品の品質等について実際のものより悪く表現するもの
    例:「他社の口紅は流行おくれのものばかりである。」
    「どこでもまだ××式製造方法です。」
  2. ②「比較広告」について
    ・漠然と比較する場合であっても、「効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止」に抵触するおそれがある。
    ・製品同士の比較広告を行う場合は、自社製品の範囲で、その対照製品の名称を明示する場合に限定し、明示的、暗示的を問わず他社製品との比較広告は行わない。

6.医薬関係者の推薦表現の禁止

医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局、その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は学会を含む団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならない。
例)「医師が絶賛する○○化粧品」
  「大学との共同開発」
  「病院でも使われている○○化粧品」
  「厚労省に承認された○○成分配合」

7.特許について

広告においては、特許に関する表現は認められない。(医薬関係者の推薦の禁止に抵触)
ただし、商品の容器、被包、添付文書については、「製造特許」「製法特許」の文字及び特許番号、特許発明にかかる事項を併記して正確に表示する場合に限り可能。